素朴な疑問
- Hiromi
- 2021年11月25日
- 読了時間: 2分
関西のあるローカル番組でのこと。「日本はデフレ続きで、初任給はスイス、米国、韓国より低く、平均年収は 30 年前より低い。なぜか?」というテーマで議論していました。政府はまったく無策だったわけではなく、なぜ日本だけがどんどん貧しくなっていくのか、素人には到底理解できない問題のように思えます。すると、出演者の一人である若い女性タレントが、「(給料が) 上がっている国はお金を刷る量が多く、お金の価値が下がっているのでは?」と言いました。その途端、同じく出演者である著名な経済学者が目を丸くして、「それはノーベル経済学賞受賞者のクルーグマンやスティーグリッツ、FRB 議長のバーナンキの答えとまったく同じだ」と言いました。つまり、デフレを解決するにはお金を刷ればいい、というのがノーベル賞級の頭脳の一致した答えだということです。
この若い女性タレントは、経済学についてはまったくの素人です。このように、素人の素朴な疑問が真実を突いていることは、決して珍しくありません。私たちは往々にして、自分が理解できない問題をいわゆる専門家と呼ばれる人に丸投げしてしまいます。先頃のコロナ騒動では、専門家と称する人たちがゴロゴロと出現しました。まったく未知なウイルスであるにもかかわらず、彼らはさもわかったようなことを言い、素人を散々振り回しました。専門家の言うことに素直に従った結果、大きな被害を被ったとしても、専門家に責任を追及するのは至難の業であり、結局は自分が責任を負うことになります。専門家には、知識があることに慢心し、「真実」が見えていない人も少なからずいることに注意しなければなりません。その点、素人にはそういった慢心がなく、素朴な疑問は直接「真実」につながっていることが多いのです。自分は素人だからと言ってすぐに専門家に頼らず、素朴な疑問をとことん追求してみることは、決して無駄ではないでしょう。
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