カイロプラクティックの発祥は日本?
- Hiromi
- 2021年6月6日
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日本では、「肩こり」と言うと、体のどの部分のどんな症状か誰でも容易に想像できますが、なぜか外国語には「肩こり」に相当する言葉がないと言われています。英語では “stiff shoulder” と言い、フランス語では単に「筋肉痛」のような極めて一般的な表現になるようです。ですから、欧米では、「肩こり」と聞いてすぐに「揉んであげましょう」とはならないわけです。
藤守 創氏は『「揉む医療」の探求 - 日本的身体とはなにか』(2020) の中で、「肩こり」は日本で初めて「発見された」ものであるとしています。具体的には江戸時代中期にさかのぼり、それまでの形骸化した中国伝来の医学に飽き足らなくなった医者たちが、触診によって直接患部にアプローチするようになり、それが日本独自の手技療法の発展につながったといいます。米国でカイロプラクティックが誕生したのが 19 世紀半ばだとすると、それは 100 年以上も前のことです。したがって、この日本の手技療法が西洋のカイロプラクティックやオステオパシーの発祥に深く関与している可能性は否定できないことを、藤守氏は指摘しています。
江戸時代に花開いた日本の伝統医学は、明治維新による西洋医学の流入により廃れてしまったといいます。西洋医学への盲目的な信奉はいまだに続いていますが、今回のパンデミックをどの国よりも抑え込んでいる日本の伝統的な感染症対策を含め、日本の失われた伝統医学に学ぶべきことはまだまだたくさんあるように思います。
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