『からだの設計にミスはない』 - 日本は宝島
- Hiromi
- 2020年12月2日
- 読了時間: 2分
アシュタンガヨガの練習がある程度進んでから、私は右半身に今の練習を続けているだけでは決して治らない体のゆがみがあることに気づきました。また、朝の練習でだいぶ痛みはなくなったとはいえ、右首肩の奥の方にはまだ鋭い痛みが残っていました。それを治す方法がないものかと、ヨガ以外の体操や整体に関するいろいろな本を読み漁り、たどり着いたのが、操体法の創始者である橋本敬三氏の『からだの設計にミスはない』という本でした。同書はいきなり衝撃的な言葉から始まります。「いわゆる西洋流の医学からは何にも得たものがなかった」と。橋本氏の操体法とはどんなものなのでしょう。それは「気持ちいいことなら何をしてもいい」の一言に尽きます。これだけ言われてもどうすればよいのかさっぱりわからないと思いますが、ある程度ヨガの練習を続けてきたせいか、私にはこの言葉は驚くほど腑に落ちました。具体的な操法はさまざまな解説本などを参考にしましたが、とにかく寝るときも何をするときも、常に「気持ちよく」体を動かすことを意識しているうちに、だんだんと右半身のつっぱり感のようなものが気にならなくなり、右首肩奥の鋭い痛みも和らいでいきました。ただ気持ちいいことをしているだけなのに…まさにミラクルです。
橋本氏は大学で神経生理学を研究したれっきとした医師でしたが、こうした知恵はすべて町の民間の治療師や漢方医が授けてくれたと言います。日本人は今でも、外国から来たものをありがたがる傾向は変わっていないように思われますが、私たちの先祖はそれらを取捨選択しながら、良いものだけを私たちに残してくれています。その中には、すでに元の国には失われてしまった文化もあります。そういう意味で「日本は宝島」なのであり、「それを拾って磨かなければ、宝の持ちぐされになってしまう」と、橋本氏は警鐘を鳴らしています。
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